板井原ごうこ

昭和30年代の山村風景と暮らしぶりが今も残る「板井原集落」には、築50年以上の古民家が川沿いに軒を連ねています。「板井原ごうこ」は、この集落で栽培されている長さ15㎝程度の「板井原大根」を約一ヶ月間天日干し、塩とぬかで約半年間漬けた伝統的な漬物です。地元では「ごうこ」と親しまれていましたが、昭和35年頃から畑の準備に欠かせない山焼きがなくなると次第に大根の生産が途絶えてしまい「幻の漬物」になってしまいました。しかし、大切な郷土食を幻にしてはならないと、平成13年に「板井原大根振興会」が発足。自宅用として細々と栽培を続けていた農家からわずかに残っていた種を分けてもらい、本格的な栽培を開始しました。栽培方法や収穫時期、その後の天日乾燥や加工方法等の試験を重ねた結果、「板井原ごうこ」は約40年ぶりに復活を果します。普通のたくあんと違い、ガリッとした歯応えのある板井原ごうこは、鼻に抜ける香りに懐かしさを感じ、脳裏にふと“田舎のばあちゃん”の顔が浮かんでくるような味わいです。手間暇掛けて作る板井原ごうこは、智頭町総合案内所、智頭宿特産村、石谷家住宅、諏訪酒造、道の駅「清流茶屋かわはら」で販売しています。